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皮膚マイクロバイオーム
野本真由美クリニック銀座の谷田有里佳です。
先日の金沢の学会では、皮膚疾患全般を幅広く勉強しましたが、
一番印象に残ったのは、皮膚マイクロバイオームの話です。
皮膚の表面には多数の細菌、真菌、ウイルスなどの微生物が共生し、皮膚特有の微生物集団を作っています。
これらの皮膚常在微生物叢がマイクロバイオームと呼ばれ、ただ皮膚表面に存在するだけでなく、
微生物同士、あるいは宿主の細胞とやりとりしながら、複雑な生態系を構成しています。
マイクロバイオームは第二のゲノムとされ、80%以上の確率で個人を特定できるほど個人固有のものです。
事件現場に指紋が残っていなくても、微生物で犯人を特定できるかもしれないと。
皮膚マイクロバイオームは、都市部・農村部といった環境因子でも変化し、
微生物叢バランスの乱れは、皮膚の疾患につながります(ディスバイオーシス)。
田舎から都内に転居してきた方が、ニキビ、肌荒れで受診されることがよくありますが、
気候、生活環境、食事の変化等で免疫バランスが変化し、皮膚のマイクロバイオームが乱れるのかもしれません。
アトピー性皮膚炎で炎症の強い患者さんは、微生物の多様性が低く、黄色ブドウ球菌量が多い。
逆にデュピクセント治療やステロイド外用治療によって炎症が軽快すると、微生物の多様性が増え、黄色ブドウ球菌量が減る。
ニキビの病変部では、正常皮膚の脂漏部位に常在しているアクネ菌が、抗菌ペプチド産生を抑制することで
過剰増殖している。ニキビはマラセチアとの共存で増悪する。
皮膚マイクロバイオームのバランスの乱れは、様々な炎症性皮膚疾患の病態に関与していると考えられ、
今後マイクロバイオームに着目した新たな治療が期待されます。
「皮膚マイクロバイオームを意識し、常在菌達がバランスよく・心地よく暮らせるよう、
弱酸性の肌環境を保つこと」が、皮膚の健康を守ることだと思いました。
電話番号は03-4405-5100です。
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